現代社会で生きていく以上、社会が一時的にインフレやデフレに突入してしまうと、その影響を受けてしまうことはさけられません。
一般的にインフレは主に資産を持つものが損をし、デフレは資産を持たないものが損します。
でも、どんなタイミングでも損するのは嫌ですよね。
実際のところはインフレもデフレも金融知識が多い人にとっては稼ぎ場となります。
つまり、金融知識の有る無しで、どんどんと資産の差を付けられて行ってしまうのです。
今回は、どんな社会情勢でも深手を負わずに戦っていけるように、
投資家になったら覚えておきたいインフレとデフレの仕組みと、個人投資家としての対策についてみていきましょう。
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インフレとデフレの仕組み
先ほど冒頭で、”一般的にインフレは主に資産を持つものが損をし、デフレは資産を持たないものが損する”ことを説明しました。ではなぜこのような事態が起きるのでしょうか?
インフレとデフレは主に、需要と供給のバランスが崩れることで発生します。インフレは需要大の状態で、みんな現物を欲しがるので物価が上がります。デフレは供給大の状態で、みんなお金を欲しがるので物価が下がります。
物価が上がるインフレではお金の価値が現物の価値より相対的に下がるので金融資産を多く持つ人が損をし、
物価が下がるデフレではお金の価値が現物の価値より相対的に上がるので金融資産が少ない人が損をするのです。
インフレ時の個人投資家の対策
インフレ時に何も対策せず現金で貯金していても、お金の価値が下がっていく一方のため徐々に総資金が目減りしていきます。
よって、その時勢におけるインフレ率よりも高い利率の資産を保有することで対策になるといえます。
このように利率が高く見込める資産は主に株式資産であり、ハイリスク&ハイリターンなので”リスク資産”と呼ばれます。
デフレ時の個人投資家の対策
デフレ時は現金の価値が上がっていく状態です。
また、デフレ時は物価が下がるために企業の売上も落ち込み、消費が低迷するので企業成績も落ち込み安く、したがって株式市場も暴落・急落を伴うことが多いです。
この時期は株式として資産を保有していると評価額が下がってしまうため、現金や債券の方が優秀な財産になります。このような資産を”無リスク資産”と呼びます。
この時期には特に、現金よりも金利がつくため債券が非常におすすめです。
なぜなら、市場参加者もデフレリスクを理解しているため、株式よりも必ずリターンが見込める債券に人気が集中し、価格が上昇するためです。
価格上昇と金利の両方を得られる可能性があるので、不景気に突入する際には債券が多く買われる傾向があります。
投資を行うタイミング
先ほどまでインフレの際は株式のようなリスク資産、デフレの際は債券のような無リスク資産をおすすめしてきましたが、投資するタイミングで投資成績は大きく変わります。
インフレが既に起こっていて既にインフレの終焉に近い場合、インフレが加速して市場が混乱しないように主要国の中央銀行が利上げなどの金融政策を行います。
すると市場が反応して株価が下がり、リスク資産である株式は大きなダメージを受けてしまいます。
デフレの際も同様に、中央銀行の利下げなど景気対策によって徐々に解消していくと、債券よりも利率の高い株式の方が魅力が上がるため、債券が売られて価格が下がっていきます。
大きな景気の流れを意識し、どちらに投資するべきかを判断しなければなりません。
インフレにもデフレにも強く投資する(上級者向け)
ここまでお話したように、長期的な景気の流れに合わせてリスク資産と無リスク資産をコントロールするだけでも、安定的なリターンを生んでいくことが出来ます。
一方で金融市場に慣れてくると、そのような大きな流れから得られる価格差を得ることが出来ればもっと利益を増やせることに気が付くでしょう。
例えば、デフレ時には株価が下落する傾向があります。現物の株式を取引するだけでは損してしまいますが、信用取引の空売りを利用すれば株式を高く買って安く売り、差額を利益として手に入れることが出来ます。
実際には、信用取引はお金や株式を銀行から借りて運用することになるため金利を支払うことになります。金利以上の利益を確保するためには、価格変動が起こるなるべく直前に仕込む必要があるため、個人投資家にとって長期的なポジションを取るのは向きません。
この記事を書いている2019年、確実に相場が読めると見込んだタイミングは2回ありました。それはゴールデンウィーク後の日経下落(天皇即位後の過熱感の下落)と、12月のイギリス総選挙後の株高(ほぼイギリス国民がブレグジットを飽きている実情を知っていたため)です。
大局を読める局面だけでも、攻める手法を知っているだけで、大きな利益を得ることができる可能性があるので、是非覚えておいてください。
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